2010年11月24日水曜日

Delicious Ceramic@ハノイ、バッチャン村

こんばんはー。
9月のハノイの記事を全部書き終わらないうちに、11月の滞在もとっくにもう終わってしまった…。

さて、ずっと書こうと思っていたDelicious Ceramicです。
9月のハノイ滞在の時に、思い立ってバッチャンに出かけてみました。
バッチャンというのはハノイ市内、中心部の東側に流れるホン河の東岸の地域にある陶器の村です。
最後にバッチャンに行ってからもう2年ぐらい経つと思うんだけど、久しぶりに行ってみたらすっかり様子が変わっていてびっくりした。まず、初めて往復とも路線バスで行ってみた(片道5000ドン=約20円)んだけど、ホン河にかかるロンビエン橋のたもとのバスターミナルがいっぱしの近代的ターミナルになっていたところからけっこうな驚きだった。(1~2年前からこうなっていたんだけど)
立派になったロンビエンバスターミナルは屋根が波打つデザイン。雨除けとしてはいまいちか。
 バスでバッチャンまでは30分~45分ぐらいで、川を渡ってしばらくは、周囲が住宅開発地区になっていて道もきれいに舗装されていた。しかし途中からは、昔と変わらず砂埃立ち牛がたたずむ土手の道だった。(途中にエコパークと銘打つ公園らしきものができていたけど、あれはなんだろう?)

 終点でバスを降りると、陶器市場の手前に屋台が出て賑わっていた。
その近くには、陶器に絵付け体験をしたりできる店が並んで、そして高校生ぐらいの若い子たちがいっぱいだった。そういえば、私の学生たちも週末にグループでバッチャンに遊びに行ったりしていた。最近のバッチャンは、ハノイの街の子たちが低予算で気軽に遊びに来る観光地になっているみたいだ。都市化、経済成長に伴う変化なんだろうなあ。
 しかしほんのちょっと前までは本当に何もない、外国の観光客以外は来る人もいない、お茶を飲むところすらない、ひなびた村だったんです。

ベトナム人観光客向け屋台。サトウキビジュースとか、焼きソーセージとか。ただしほこりっぽい。
 とはいえバッチャンの陶器の品揃えは特に昔と違いはなかった。町から遊びに来る若者たち向けのささやかな記念品のようなものはいっぱいあるけど、全体的には昔以上に画一的。

 ただし、たった1軒だけ突然変異的に周りと全く違う世界観を醸し出している店がある。それが今回私がバッチャンまで出かけてきた目的であるDelicious Ceramicなのですが・・・

竹やぶと赤い看板と窓枠が目印。
 バッチャン村でバスを降りて、突き当たりを右のほうにずーっと行ってください。そのへんの人に住所を尋ねながら10分ぐらい歩くと、明らかに周囲と雰囲気の違う、異様に垢抜けた竹やぶと赤い看板が見えてくるのですぐわかります。住所は 227 Giang Cao, Xom 5, Bat Trang。


作家のお母さん(けっこうやり手)がいます。
中は、おちょこ・そばちょこ・小さい取皿などの小さめの陶器を中心にステキにディスプレイされている。陶器にはどれも、子どもの落書き風の、味のある絵が入っている。生地の質感は粒子が荒くて厚くコロンとしたバッチャン独特のものだけど、デザインが全く違う。いったいどういうわけでこんなデザインのものがここに?
店番のおばあちゃんに聞いてみると、ここの品を作っているのはおばあちゃんの息子さんで、特別デザインを勉強したとかそういうわけではなく、ただ好みでこういう子ども落書き風の絵を入れているんだそうだ。店のインテリアは赤がアクセントになっているが、単に息子さんが赤が大好きだというだけらしい。外国人が関わってるとか、そういうことも全くないらしい。ただ、奥さんの旦那さんはロシアに住んでいた方だそうで、外国に縁のある家族ではあるようだけど・・
ハノイでは、けっこうたまに、特別な環境にいるわけでなくてもとびぬけてセンスがいい家族に出会う。そういう人たちだろうか。

ディスプレイもかっこいいのだ。
値段は、おちょこサイズでも200円ぐらいと、そこらへんのバッチャンの数倍すると思われる、なかなか強気な値付けだ。おばあちゃんもしっかり売り込んでくる。でもこの垢抜けぶりなら売れてるだろうと思う。実際、私もおしゃれで力の抜けた雰囲気がすごく気に入って、おみやげにも自分用にもかなりたくさん買って帰った。お皿、マグカップなど、家で愛用している。

ふつうのバッチャンを楽しんだリピーターならば、2度目にぜひ行ってみてね。今のところ、バッチャンは、ここだけが突然変異的にユニークなだけなんだけど、これからこんな独創的な人達が増えたら面白いんだけどな・・・。

2010年10月24日日曜日

アオザイガールズ(最近のベトナム女子たち)

2010年9月のハノイで改めて感じたことの一つに、10代~20代の女の子たちが以前にもまして垢抜けてきたということがある。
もともとベトナム人はかなりおしゃれだと思う。特にハノイの人はそういう傾向があるような気がするが、見た目にとても気を使い、洋服、バイクなどの持ち物、インテリアもとても興味を持っているし、お金もしっかりかける。外国の情報が自由に入るようになり、周辺の国との流行の格差時間差も徐々に縮まってきて、そして都会の人達の生活にも余裕が出てきて、社会の変化のピークを迎えたかのような今年、女の子たちがいつにもましてがらっと変わった感じがする。
私の学生たちは法科大学の学生で、田舎から出てきてる子も多く少なからずガリ勉ちゃんたちなので、決して最先端中の最先端ではない(たぶん外交大とか、ハノイ出身者の多い私大はもっとおしゃれだと思う)んだけど、それでも立ち上げ当初に比べてうんとおしゃれになった。方向性はパンツスタイル中心の若者らしくけっこうひねったカジュアルという感じだ。クラスに一人か二人ぐらいファッションリーダー的な子がいて、その子のファッションについてよく話題になっている。日本にそのまま連れてきても違和感がないくらいこなれている子も少なからずいる。
洋服だけじゃなく、髪型や小物もコーディネイトするようになっている。この前のハノイでは女の子の間でおだんごヘアーが大流行していた。日本みたいに頭のてっぺんに大きいお団子を作る感じではなく、高い位置でちっちゃくまとめる感じで、前髪を斜めに流す感じにしていた。日本人は不思議に思わないかもしれないけど、これってすごい画期的な変化なんです!10年前は、周期的に変わる流行なんてものはなくて、ひねもすみんなおんなじ黄ばんだ開襟シャツにズボンに黒髪ストレートだったのです。変われば変わるもんです。
流行はファッションに留まらなくて、たとえば、女の子たちの間で「ハグ」がはやってるみたいですごいびっくりした。私が職場で学生たちにあいさつして、「もう今日の夜帰るの~」って言うと、3年生の女子学生一人が「先生ハグしてもいいですか Co oi, em om co mot cai duoc khong? 」って言うので耳を疑った。???なに?om???と思ったけどハグされてみました。うーんびっくり、はからずもドキドキしてしまった。職場のスタッフが「最近若い子たちは、やってますよね~」と言っていた。もともとベトナムにはそういう習慣はなかったんですよ!最近日本人の女の子たちもよくやるようになった気がするけど、若者文化っぽいものが生まれてるんだろうと思う。

今年の8月に名古屋に研修に来た1期生たちのうち3人は女の子で、一人はハノイ出身でもともと非常におしゃれだったんだけど、残りの田舎っぽさがぬけなかった二人も、今回の来日の時にはいっぱしのおしゃれ女子になっていた。3人とも交流行事用にアオザイを2着ずつ持ってきていた。びっくりしたのは、アオザイを着る場面ではたいへん上手にナチュラルメイクを決めて、しかもメガネをコンタクトに変えて登場すること!スゴイ!いつどこでそんなことを勉強したの!(このために彼らはわざわざコンタクトの入れ方を練習したらしい!!!)
そしてその甲斐あって、3人ともものすごーく可愛かった。行事のパーティーの時には、お客さんのおじさんたちが、他の国の女子学生たちもいるのに、迷わず真っ先にアオザイちゃんたちに向かってくるというぐらいで、猛烈な威力だった。おじさんたちが鼻の下を伸ばすのもわかる。私だって凝視しちゃうぐらいに可愛いです。ベトナム人女子はこれからもますます可愛く、賢くなることでしょう。恐るべしです。サービスカットを掲載いたしますのでみなさんもお楽しみください☆

2010年10月18日月曜日

髭ライブ@クラブダイヤモンドホール 2010年10月16日

さてライブ記録。
ライブ行きたいな~と思って検索したら、たまたま翌日に髭のライブがあった。
こういう偶然は好きなので、もちろん行くことにしたわけです。
このバンド、アルバムを2枚ぐらい聞いたことがあって、いいな~と思ってました。
どういう音楽かというと、Wikipediaに「60年代のロックの王道サウンドに90年代のグランジ要素が絡み合った」と形容されていたんだけど、的を射た描写だと思う。ビートルズ+ニルヴァーナともいわれてるらしく、確かにビートルズ色も濃い。グランジというだけでもなく、パンク、サイケデリック、オルタナティブ、ファンク、テイストもそれぞれ感じる。でもポップでど真ん中な美メロ曲も多い。それでいて60年代ロックのレトロ感が常に漂っている(そこが好き)。よくわかりませんねー。

それ以上何も知らないでライブに行ってみたら、バンドのメンバーが今どき珍しいほど非モテ系、でびっくりした。もっと若い人の音楽なのかと思っていたら、実は意外にいい年齢のおっさんたちだった。空耳アワーの安斎肇みたいな人が何人かいるし、ボーカルは「どれみふぁワンダーランド」の宮川彬良みたいな髪型だし、そんな中で高橋源一郎と野田秀樹を足して2で割ったような草食風ギタリストがいて周囲から浮いている。
でもなんかゆるーい雰囲気で楽しそうな人たちで、ドカドカしてるけどリラックスしたグルーブ感のあるアンサンブルだ。ドラムが二人いるのが不思議だったが、そのうち一人はハンドマイク持って前に出てきて踊ったり歌ったりする。
ボーカルの須藤くんの歌は人を惹きつけるものがあった。フィッシュマンズの故・佐藤伸治と、SUPER BUTTER DOGの永積タカシに少し声の雰囲気が似ている。曲も詞もほとんどこの須藤くんが書いているそうだ。歌詞がとてもナンセンスなんだけど韻を踏んでいて、すごくきれいにメロディーにのっていて、今どきめずらしいセンスだ。時々、超ど真ん中のキラーチューンを書く。

そういう感じで、客層はギターポップ・グランジ好き風な20代が多かった。男女半々ぐらいだけど妙に長身の男の子が多かった。でも30代以上のコアな音楽ファンにも愛される音楽なんじゃないかと思う。洋楽好きな人も日本のポップが好きな人も、生音の音楽が好きな人ならどっちもいけそうだ。
新しいアルバムがでていてこちらもいい。ただこちらはかなりポップに焦点を合わせた感じで、もうちょっとひねくれた音楽ファンの皆様はぜひもうちょっと前のアルバムをこのへんから試聴してみてください。どれも好きだけど、特に「せってん」がすっごく泣かせるの曲でおすすめなんです!


*関係ないけど、上の試聴サイトを探してる時に、大西順子さんの「バロック」が出ていることに気がついた。びっくりだけどうれしいニュース!もう復帰2作目なんですね。もどってきてくれてありがとう!

2010年10月16日土曜日

HiGE「テキーラ!テキーラ!」



今日髭 HiGEのライブ見てきました。よかったよ!あとで書きます。
変なバンドなんですよ、ギターが3人、ドラムが二人で。でもかなりいい。面白かった。気に入った。
この曲は新曲でライブでもやってた、ビデオがかっこいい。
これだけきくとかなりベタに聞こえるけど、ライブはかなり印象が違った。
ポップに焦点絞ってきたってことかな、いずれにしろ、いーぞ!

You are what you eat, I am Soybean I eat...

9月の初めごろ、体重計に乗る機会があり、夏の間にええっ!というほど体重を増やしてしまっていたことが発覚した。
あんなに暑くて過酷だったのに太るなんてひどい・・・と思ったが、振り返ってみると、神経を使う仕事が続いて反動で甘いものを食べ、暑さの中体力を使う仕事が続いて普段飲まないような甘い飲み物を飲み、だったから、自業自得かもしれない。
そこでダイエットを思いついて、しばらく食べものを変えてみた。美波紀子さん推奨の方法に従い、晩ご飯に炭水化物を食べないようにして代わりにお豆腐を食べる、という方法だ。実は前にも一度ちょっと試したことがあった。なぜそれがいいかというと、暗くなってからの特に寝ている間は、人は基本的に基礎代謝分しか使わない。だから余った炭水化物はその分が脂肪になるので食べない方がいい。でも寝ている間に体は作られるから、その材料であるタンパク質は食べたほうがいい。そこで手に入りやすくて良質たんぱく質を含むお豆腐を食べましょう、というわけだ。シンプルだがなかなか理にかなっている。
ここからはダイエット日記です。
お肉や魚はたんぱく質だし、そんなにストイックに脂肪を減らしてるわけではないので、炭水化物以外は自由に食べればいいんだけど、実際にはごはんに合う濃い味のおかずはできれば食べたくない(ごはんが食べたくなるから)のでそう単純でもない。美波さんは、「かつ丼(ただしごはんの代わりに豆腐)」とか「チャーハン(ごはんの代わりに木綿豆腐で)」とかでもけっこういける、と言っているが、うーん・・・私はあんまり賛成できない。なので基本的に、湯豆腐・鍋物・お豆腐入りスープ・・・豆乳を使ったスープ・・・納豆・・・お豆腐とお肉や魚を使ってとにかく何か料理・・・という感じで6週目ぐらいになった。ちょうど「NHKきょうの料理」9月号の特集がお豆腐料理だったりして、いろいろ試した。おすすめなのは、「豆乳+米粉少量で作るホワイトソース」(だまにならないしバターもいらない)、「木綿豆腐をくずして適当に具と片栗粉と鶏がらスープの素を入れて丸めて焼く豆腐餅」、「豆腐お好み焼き(納豆もいれちゃうのもよし)」、「豆乳鍋」などなどだ。
さて効果はというと、3週間目ぐらいからかなり体が軽い感じになってきた。たぶん女子の体のバイオリズムにもよると思うんだけど、3~4週間目は毎日日に日に無駄な部分が減ってる感じがあった。4週間終わったぐらいで再度体重計に乗る機会があって、無事に標準的重さに戻っていたし体脂肪も減っていた!これはうれしい。2~3キロ落ちたんじゃないかと思う。そして体調もいいし肌の感じも悪くない。実家の家族にもやせた!と言われた。効果が感じられると気分も盛り上がってくるというもので、間食はほとんどせず、なるべくヨガもして、夕方以降は豆豆豆、豆豆豆、今日はお豆腐をどうやって食べようかしら・・・な毎日を続けていた。
それで今6週間目ぐらいになって、ちなみに今家に体重計がないのでどのくらいの重さになったかよくわからないんだけど、洋服がちょっと大きく感じられるのでやっぱり引き続き落ちてるのかもしれない。ただ、若干持久力が下がってきたような気がする(ただ仕事が忙しいだけかもしれない)。まだいらないお肉は落ちきってるわけではない(そう簡単に気になるところだけ落ちるもんじゃありません)けど、このくらいで安定するように徐々にペースダウンでいいのかもしれないと思っている。

この方法は誰にでも効果があるのかどうかよくわからないけど、すごくいいのは、1 安い(食費がかからない) 2 楽(料理も簡単だしお豆腐はおなかにたまるから空腹で悩まない) 3 体に悪くない(これすごく大事) の3点だ。もちろん、バランスが悪くならないように、炭水化物以外のものは偏らないで食べるようにしたほうがいいとは思う。
やっててみて思うのは、「肉体労働じゃない大人(特に代謝の低い女性)はそんなにいっぱい食べなくても死なない」ということだ。むしろ食べ過ぎない方が体の調子がいいということがよくわかった。そしてもうひとつは「(本当に)人は自分の食べたものでできている」ということだ。思い込みかもしれないが、前と体の感じが違って、なんとなく脂肪っぽくなくて赤身の肉っぽい(?)。だから、どうせ甘いものや炭水化物を食べるなら、変なものが入ってなくて、すごくおいしいものにしよう、と思うようになった(この先ずっと続くかどうかはわからないけど。この前衝動的にインスタントラーメン食べたし)。それに、美波さんの本にも書いてあったが、ちょっと食べ過ぎたなーと思ったらすぐ、数日晩ご飯をお豆腐中心に軽くすればいいので、食べ過ぎを恐れることはないこともわかった。お豆腐は、若干単調だけど、おいしいしね。

ここでもうちょっと運動するともっといい体になるのかなと思うけど、そこまでは至らないんですが。興味のある人は是非試してみてください!!!そして、世界で食用のお豆を作ってる人たちに感謝しよう。

2010年10月13日水曜日

歯医者

最近、歯医者に通い始めた。どうでもいいことのようだけど、個人的にはたいへん画期的なことだ。
それは第一に、私は小さい頃虫歯が多くてよく歯医者に連れていかれていたのだが、とっても嫌な記憶がいっぱいあり、それいらい今も歯医者が恐ろしいからだ。医者は全般的に苦手なんだけど、歯医者は特にきらいなのだー。
そして第二に、ここ10年の間に外国から日本に2度帰って、さらに引越しも何度かした結果、かかりつけの歯医者さんを見つけないまま今に至っていたという問題だ。実家の近くに小さい頃からお世話になっているとてもいいお医者さんがいたのだが、引越ししたので通えなくなってしまった。
第一の理由と第二の理由がどうどうめぐりにめぐって今までいたのだが、先日ちょっと時間ができたので、清水飛び降り的に思い切って近所の歯医者を検索して予約をとった。なかなかよいお医者さんで、これからは定期検診だっていっちゃうぞ!という勢いだ。
自ら健康を守るために医者に通うなんて、大人なら当たり前!だと思うのだが、でもそれが特別に建設的・前向きな行動だと思える心境というのがある。これからどうなるのかわからない、という気持ちの時には、進んで医者に行くような心境にはなかなかなれないと思う。昨年10月に帰国して以来、すぐ歯医者に行こう~と思ってたのに、なぜかそんな余裕が見つからなくて1年も経ってしまった。私にとって帰国期ももう2度目のはずなのに、落ち着くのにまた1年もかかってしまったってことか。それともただ忙しかっただけか。

ところで最近の歯医者ってとっても近代的で明るいですね。日本の近代的医療を受けられるありがたさを感じます。今通っている歯医者さんは、診察室に入るとスタッフがみんな居酒屋ばりにあいさつしてくれます(それっていいのか?)。そして何かする前に、かならず「今から~しますよ~」と言ってくれるのも怖くなくていい。それと気に入ってるのは、治療中に(特に顔に水が飛びそうなとき)顔にタオルをかけてくれる。見えないとあまり怖くないので、緊張しなくて済む。これちょっとしたことだけど、歯医者嫌いにはかなりうれしい。

2010年10月12日火曜日

後期の授業

こんばんはー。10月も半ばなのになんだかあったかいね。

ハノイの巻を中断して仕事のお話。
2010年後期がはじまった。今期は二つ授業がある。
一つは学内で前期から継続のベトナム語。前期より人数は少なくなったが、前期から継続する学生がいるので(よかった)、前期より少し先に進めそうな見通しだ。発音は前期はレベル1(単音)だったが、後期はレベル2(連続する音節の声調)に進む。声調の連続のパターンは、ベトナム人に通じやすい発音をするためにとても大切で、しかも教えるとけっこうできるようになるので、教えてて楽しいところだ。そして今期はとってもありがたいことに、ベトナム人アシスタントちゃんが来てくれることになった。さらに時には留学生も招いて、実際にベトナム語でお話する体験をしてもらえるだろうと思う。とても楽しみ。

そしてもうひとつ、お近くの大学で異文化コミュニケーションの科目を担当する。養成で教えたことはあるけど大学生に教えるのは初めてだ。こちらは専門じゃないしそれに教養科目だし、ということで、事例を挙げてディスカッションしたり、異文化トレーニング用のゲームをしたりする体験型の内容にした。行ってみると、実は夜間部の学生が多いようで、わりと年齢が高いみたいだった。そして4年生が多い。ということはもうすぐ社会に出る(もう出てるのかもしれない)人たちだ。今の時点でこの科目にどのくらい興味をもってるかはわからないが、そういう若い人たちが偏見とか摩擦とか適応の態度とかというような話を聞いておくと、その後そういう場面に出会ったときに、きっと感性が働くんじゃないかと思う。そう思うとなかなか重大な任務だ。
この講義では、ブログに挙げた課題に対してコメントした人に点をあげることにした。せっかくこういう科目だから、自分も主張をして、そして対立が起こって、それについてどう感じるかという経験をしてみてもらいたいと思ったからだ。ところで今の時点でまだコメントが2件しかない。1コメントで2点もあげるのに(^^;日本人のクラスでは発言することに抵抗がある人も多い事情はよく承知している。学生たちも大変なんだろうなあ…。これからもっと活発になっていくことを祈る。今後の展開に興味のある方はぜひご観覧下さい。↓
http://ibunka-communication.blogspot.com/

ちなみにこの講義の構成を考えているとき、NHKで放送されていた「ハーバード白熱教室」にとっても刺激を受けた。思わず論じたくなるような日常的な問題を取り上げて、学生を自由に議論に参加させ、そして普遍的なテーマに導いていく流れがまぶしいほどかっこいい。もちろんもちろん、学生たちを自由に議論させて、彼らのどんな発言も受け止めることができるのは、この講義のテーマである哲学の広がりも深みも十分すぎるほど把握しているからこそで、付け焼刃でまねできるようなものではないです…。でも、大学の先生たちは少なからず刺激を受けただろうなあと思う。

調整業務が多い毎日の仕事の中で、学生たちに毎週会うのはとってもうれしいのだ!

2010年10月4日月曜日

ハノイ最近の流行 Trà chanh


2010年秋のハノイでは、Trà chanh が大流行していた。
Trà chanh というのは、ライムと砂糖を入れた冷たい緑茶のことで、要は(緑茶だけど)レモンティーだ。上の写真では、光の加減でオレンジ色に写っているけれど、実は薄緑色の緑茶です。
確かに緑茶にライムを入れたものは以前からどこでもあったわけではないが、特に特別なものでもない。なんで今そんなものが流行っているのかよくわからない。


でも、夜、あちこちの街角で、お昼の店が店を閉めた後の歩道にレモンティーの露店が出て、お約束のお風呂椅子、またはそれすらない段差に座り込んだ若い人で大にぎわいしているのだった。

*最近のハノイでは、通りの店の営業時間が終わったあと、店の中やその前の歩道のスペースをオーナーが別の商売をする人に貸すことがよくある。
*しかし歩道で商売をするのは違法で、警察に取り締まられて罰金を払わされるので、できるだけ歩道には椅子などを置かないように、置いてもすぐ撤去できるように営業する。

写真はその中でも特に人気があるらしい、大教会前の雑貨屋を借りて営業している店。オレンジ色の街路灯の下、ゴシック様式の大教会も眺められて、雰囲気のあるいい場所だ(歩道の上であることを除けば)。


インスタントのお茶を出している店も多いらしいのだが、この店はちゃんとお茶葉とライムでいれていて、味は緑茶だからさっぱりしてて、確かにおいしい。蒸し暑い夏の夜をしのぐのにはぴったりだ。1杯4000ドンぐらいと値段も庶民的。高い賃貸料を払っているカフェの高いコーヒーを無理して飲むより、こういう風通しのいいところで夜の通りを眺めながらだらだらだべりたい、というのがハノイ市民の本音なんだろう。

町の人のそんなささやかな希望を叶えられる、贅沢じゃなくて地に足の着いた商売を、取り締まられたりせずに落ち着いてできるようになれば、もっといい街になると思うんだけどなあ。と思う。

2010年9月27日月曜日

おいしかったレストラン2 Phố biển


おいしかったレストランその2、シーフードのPhố biển。ホアンキエム湖や大教会 Nhà thờ lớn から近い、Tràng Thi通りにある。
ここは以前からよく行っていた店で、シーフードが食べたいお客さんをよく連れていっていました。シーフードは高すぎる店が多い中、ここはそこそこ雰囲気がいいし、お値打ちだし、サイドメニューもベトナムらしい料理があって、わりと垢抜けした味でおいしいから。ベトナム司法省御用達らしい。(ベトナム人が職場の会食とかでわーっと大人数で行って食べるのに使う店は、だいたいおいしい。)そういえば外国人客はあまり見たことがないけど、メニューは写真もあるし、高級度レベル「4」(外人対応がある店)で、日本人連れていっても大丈夫です。
シーフードの店は高い!というイメージがあるかもしれないけど、それは高級魚を頼みすぎるからです。ロブスターとか食べたらどの店でも相当な値段になっちゃうと思うけど、えびやいかやメジャーな川魚くらいならどの店でもびっくりするほど高くはならないし、十分おいしいのです。日本人にすすめると喜ばれる「ソフトシェルクラブ」cua bấy(脱皮したてのカニの料理で、殻ごと炒めて食べる、おいしい)だって、そう高いものでもないです。この店なら1人前5ドル以下だったと思う。

上の写真は私のとっても好きなchả mực (イカのすり身揚げ)。ディルの香りがよい、ハイフォンの名物料理ですね。イカがほどよくあらびきで、プチプチしてておいしい。




えびのココナツジュース蒸し tôm sú hấp dừa。おいしー。殻もフルサービスでむいてくれます(ありがとう)。



そして締めにとってもおすすめの「牡蠣のおかゆ」cháo hào 。貝 cháo trai、魚のおかゆ cháo cáなど、種類もいろいろ。phố biển (海岸通り?)という名前の通り、海辺の町のレストランにはよくある料理。




最後は季節のザボン bưởi をたのみました。
もっといろいろ食べたけど、一人1000円ぐらい。サービスも、料理を出すタイミングとかおすすめとか、ちゃんと相談してくれるし、悪くない。ただし英語はあんまりできないかも。


在住奥様たちなら持っているハノイガイドにものってます。
ちなみにこの店の難点は、個室がなかなかとれなくて、ふつうの席のテーブルは音がわんわん響いてやかましくて話がほとんど聞こえないことです。

"Phố Biển"
14 Trang Thi Str., Hoan Kiem Dist., HN
http://www.anan-vietnam.com/jp/hanoi/f000212/

シーフードだと、ここの他に「Hải sản ngon」にもよく行っていた。あちらはもうちょっと高いけど、オープンテラスだから気候がいいときはいいよね。

2010年9月26日日曜日

9月2日国慶節の花火



ハノイの話はまだ続きます。

ちょうど仕事の食事会が終わってホテルに帰ったところで国慶節 ngày quốc khánh の花火が始まって、部屋の窓から見ることができた。ホアンキエム湖、タイ湖、レーニン公園、市西部の開発地域であるミーディン Mỹ Định の4ヶ所であがっていたようで、写真はホアンキエム湖方面のもの。同行者たちには「日本の花火に比べたらそれほどでも…」と言っちゃったんだけど、15分ぐらいとはいえ意外にも豪華で美しい花火だった。ハート型など立体的な絵の形の花火みたいに最新型もあったし、本数も十分で見ごたえがあった。見下ろすと通りはバイクを止めて花火に見入る人で一面の渋滞だった(笑)。ベトナムの平和と繁栄あらばこその美しい花火だ。
私はたぶん2000年のミレニアムの国慶節のときにも花火を見たと思う。借りてた家の屋上からだったか、それともホアンキエム付近の人ごみの中だったか・・・。その時から10年たったのですねー、となかなか感慨深かった。そして10年後、見ちがえるほど豪華になった花火をニッコーの窓からまた見ることになるとはもちろん思わなかったですとも。

2010年9月23日木曜日

「東海途上国関係者連絡会(仮称)」

そのうちやりたいな~と思っていたことがちょっと具体的になってきたので、冷めないうちに書いておく!

途上国に関係する仕事、研究をしてる人などなどが、ゆるーくつながるサークルのようなものがあったらいいなーとしばらく考えていた。賛同する人も身の回りに何人かいた。でも、どういうカテゴライズがいいか、どういう活動をするといいかが今ひとつ具体的に分からなかった。
でもこの1ヶ月ぐらいの間に、立て続けにいろいろな人に会ったり再会したりして、その案について話しているうちに、どういうのがいいのかだんだんはっきりしてきた。

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(グループ名)
「東海途上国関係者連絡会(仮称)」

(集めたい人たち)
・名古屋を中心とした東海近辺で、途上国に縁がある人。例えば途上国に興味がある、途上国関係の仕事や研究をしている、途上国に住んでいた、途上国と日本を行ったり来たりしている、自分が途上国出身だ、家族に途上国出身者がいる。
・途上国にシンパシーを感じることがある。
・途上国の話がしたい。
・途上国に関係する仲間を作りたい。
・国際交流に関わりたい。
・できれば少しは人の役に立つことがしたい。
・日本はすばらしいが、時々少しきゅうくつだ、またはたまにアウェー感がある。
・衛生にそれほどこだわらない。
・インフラが多少不便でも大丈夫。
・屋外でごはんを食べたり、酒を飲むのが好き。

(やりたい活動)
・交流活動:飲み会、バーベキュー、野外活動、など
・体験や知識の共有:勉強会、報告会など
・社会貢献:(まだ不明)
・グループとしての意見の発信:(まだ不明)

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いまのところこんな感じなんですが、賛同してくれる人、いますか?
そのうち、一度集まって案を検討しましょう~。(兼、飲み会)

2010年9月21日火曜日

アートのハノイ?その1

今回のハノイ滞在では、部屋にかける絵をさがそうと決めてました。
なぜ今、絵?かというと、実は、昨年帰国のとき、ハノイで買ってかけていた油絵を1枚、がんばって持って帰ってきた。そして今の部屋にも引き続きかけているんだけど、私はその絵がとっても気に入っていて、部屋に好きな絵があるのっていいものだな~って改めて思うようになった。それで、そのうち部屋を好きな絵でいっぱいにしたいなと思って、ハノイには実は絵が手頃に買えるところがあるので、気に入った絵を見つけようと思ったのだ。

ちなみにその絵は、シルク店の多いHàng Gai通りの洋服屋で買ったものだった。
買った時のいきさつがちょっと面白かった。なぜ洋服屋で油絵?かというと、この店は実は店の奥に刺繍絵を置いていて、しかもお土産物屋によく置いてあるようなステレオタイプな風景画などではない、ちょっと面白い図柄のものをおいていた。刺繍絵の方をプレゼントに一枚買ったこともあって、たまにのぞいていた。(ついでにかわいい犬もいた。)
それである日なんとなくその店を通りかかったとき、実はその店の刺繍絵には、店の奥によく見ると何枚かかかっている油絵と同じ図柄のものがあることに気がついた。聞いてみると、実はその店の女の子(オーナーの娘?)のおじさんで油絵を描く人がいて、その人の絵を元絵にして刺繍絵を作っているんだという。(刺繍絵の図柄はよかったのだが、刺繍そのものの技術はたいしたことなかった)
その中の一枚に、蓮の花の刺繍絵があり、その絵の元になった油絵も店にあった。蓮の花といってもよくある感じのほのぼのした感じのものではなく、雨の中風にあおられて花びらが吹き飛ばされそうになってる蓮の花を中心にした、全面が暗い青っぽい色合いのシックな絵だった。元絵の方は額にも入っておらずキャンバスそのままの無骨な状態で壁にかけられていた。それがなんとなくいいなあと思って、なんとか持って帰れないこともない感じの大きさだったのでその油絵の方の値段を聞いてみたら、元絵のほうは売るつもりはなかったらしく、女の子は絵かきのおじさんに電話して売っていいかどうか聞いた挙句、いくらでなら買う?って感じに逆に聞かれてしまい、う~んそれじゃあ(いくらなら買うんだろう、私。と思いながら、適当に)70ドルで!みたいな感じで交渉して買ったのでした。その程度のものなんだけど、世界に一枚しかない手書きのオリジナルの油絵なのだし、何より生まれて初めて気に入ってほしいと思って買った絵なので、私にとって特別な絵になったのでした。

前置きが長くなったがこの話から何が言いたいかというと、ハノイにはなぜか絵を売ってるところが多いということだ。絵をかく人が多いからなのか、あるいは買う人が多いということだろうか。意外に、音楽家や画家などの芸術家が多いのは事実だ。芸術家はだいたい芸術一家の出であることが多い。ぜったいもうからないだろうと思うのだが、恵まれた家系の人が多いんだろうか。あるいは上流なベトナム人は絵に意外にお金を使うんだろうか。
ただし絵を売ってるところが多いといっても、街の中にたくさんある画廊の9割がたでは、アジア好みの西洋人向けおみやげ的な、ステレオタイプな絵、または名画の模写しか置いてない。でも気をつけて探すとたまーにオリジナリティのある絵を置いてあるところがあるんです。

そういう店の一つとして行ってみたのは、Hàng Trống通りの"White lotus"で、番地を忘れちゃったんだけど、下の記事に書いたブンチャー屋(90番地)の向かいにあるので行ってみてください。
ここは、自転車を題材にした版画ばっかり作っている Trần Công Dũng の版画を主に置いている。(こんな絵です。)この人の絵は、以前文廟の近くの Maison des arts で見たことがあって好きだった(この人、ベトナム語で検索しても全然ヒットしない。ベトナム人の間では知られてない?)。


他にも、作家名がわからないんだけど、↑ 絡み合う電線と木を、夜、下からカラーの照明を当てて撮った写真など、おそらく若い作家のちょっと面白いものがある。若いベトナム人が、ベトナムらしいものを題材にしているのは興味深い。版画や写真などの複製可能なものは小さければ1枚10ドルぐらいからとお手頃だ。


私は希望通り、ちょっと気に入った版画や小さい漆絵を買うことができて目的達成。新しいお気に入りになりそうです。
たまたま今月号のベトナムスケッチでハノイのアート特集だったので、そこに載っていた画廊にも行ってみたのでこれはまたあとで。これから「アートのハノイ」を売りにできる未来は来るか?

2010年9月20日月曜日

ストリートフード1 bún chả @ Hàng Trống

今回、初めて直行便で行ったんだけど、予定通りに午後3時前には着陸しちゃって、たまたまなのか着陸便が空いてる時間帯なのか、荷物もあっというまに出てきて、4時過ぎにはもう市内にいた。直行便ってやっぱり便利なのね。
なぜかハノイに着いたとたん、急におなかがすいてきた。そして、おなかがすけばすぐに食べられるものがハノイの通りにはいっぱいあるわけだが、食べたい時においしいものが気軽に食べられる街って普遍的に魅力があるなと思う。


さて、「またかよ‥」とお思いの方もいるかもしれませんが、Bún chả (nêm) です。だって好きなんだもん。


Bún chả はやっぱりおいしいのだ~。
この店のつけだれは、すごく酸っぱくも濃くも薄くもなく、あっさりめでちょうどいいと思います。
にんにくと唐辛子は入れる派です。


場所は90 Hàng Trốngです。昼しかやってない。2002年頃に既にあった店で、わりといける。奥さんも昔から変わらない。舗道でこどもイスなところも10年前と変わらず、なんですけどね。
値段はたしか、ネムありで1人前17000ドンぐらいだった(ような気がする)。

夏季セミナー中に学生がうちに来て作ってくれたBún chả もおいしかったよ!今度うちでまた作ろう。

2010年9月16日木曜日

人気店の相次ぐ移転。PUKUの場合



ハノイでは先回の訪問から5ヶ月の間にたくさんのなじみの店があっちこっちに移転していた。
理由はおおむね、お約束の「商売が繁盛してくるともっと高く借りてくれる借り手に貸そうとして大家がするむちゃな賃上げ」じゃないかと思うけど・・実際はどうなんでしょう。
私のハノイいちのお気に入りカフェ「PUKU」は、Hàng Trống通りの路地の奥の2Fというややアングラな場所から、上記の写真の通り、なんと意外にもTốn Duy Tânの通りに面した堂々たる一軒家、というわかりやすくオープンな立地、に移転していた。


昔はちょっと汚くてボロい感じがよかったのだが、今やすっかり大きくりっぱになってしまった。
Tốn Duy Tânといえばハノイには珍しく深夜まで営業する店が並ぶ通り(*ベトナムでは法律で深夜12時までしか営業が許されていないが、地区や業種によって特例があるらしい)。PUKUもなんと24時間営業になってしまい、大繁盛しているのだった。スゴイ。アングラだったのに。変わるもんだ。
しかし実は、新しい店のインテリアは昔の店の面影を残していて(長ーいランプが下がってるところとか、壁の色の塗り方とか)、店員ちゃんたちもだいたいみんなそのまま移ってきたところをみると、店の経営方針はそんなには変わっていないらしい。顔なじみの子もいて、「Chị、ひさしぶりだねー。どう?きれいになったでしょ。」と自慢気だった。

まあ、いい店がなくなっていけすかない店が増えるよりは、いい店が大きくなってみんなに愛されてる方がいいよねー。これからも応援してます!がんばれPUKU。

最近のベトナム式バイク用上着



最近はこういうのが主流です。(バイクを運転してる女性が着てるペイズリー柄?のやつ)
気になる首も手の甲も隠れてカンペキね☆

これ、日本でも売れるんじゃないかと思う。

2010年9月14日火曜日

ベトナムドンのレートとベトナムの物価

参考までに2010年9月のベトナムドンのレートはこんな感じ。

$1  =19000ドン
100円=22000ドン~23000ドン

円、高っ。
10000ドン=約50円で換算できるから簡単といえば簡単。
私の記憶が確かならば、留学していた2000~2002年ごろのレートは、だいたい、$1=100円=17000ドンぐらいだったような気がする。その時から比べれば、超円高、ドン安、少々ドル高になってます。市場の円ドルレートに一致しているともいえるけど、やっぱりドンが安い。
今旅行にいくなら、円を持って行ってベトナムで両替したほうがいいです。最近は、円の両替もかなりいろんなところでできるようになってて、Vietcom Bankでも、パスポートなしで両替できた(パスポートNoは必須)。
しかし意外に輸入超過なベトナム経済には不利な材料じゃないかな。

高級品は明らかに街の中に増えている。ヨーロッパから来た高級アイスクリーム屋(1人前5万ドンぐらいする)に、市内の高校生が集まってたりしてた。5年ぐらい前まで外国人ばかりだったレストランも、最高級であるメトロポールホテルのカフェも、ベトナム人客でいっぱいだったなあ。

その一方で、街のインフレは、ピークだった2007年頃に比べてすごく進んだという感じはなかった。庶民的な麺料理ブンジエウ Bún riêu(具なし)は安いところで1杯10000ドンぐらい、肉入りつけ麺のブンチャー Bún chảは15000ドンぐらいと、あまり変化がないような気がする。たぶん。
おねだんお手頃でサービスもそう悪くない中流向けのレストランやサービスも、増えてるような気がした。

富裕層も増えてるけど、中流も育ちつつある、両方の兆しが見えた感じだった。
こんな印象で合ってるかな?>在住者の皆さん。

2010年9月12日日曜日

おいしかったレストラン1

個人的に、ハノイのレストランに、高級度において5~1の星をつけてます。5が最も高級で、1が最も路上に近いという格付け。
ただしこの格付けはおいしさとは関係ないのです。ハノイの場合、だいたい、星「5」の店には、おいしさもNo.1の店はほとんどない。実際は、「4」(英語のメニューがあるなど外人対応あり)または「3」(一般ベトナム人がちょっと奮発してごはん食べに来るような店)ぐらいに、本当においしくて清潔で値段も適当な、いいお店がある。でもそれも、外食産業がまだ発展しきらないハノイでは数少ない。
それで今回行った店の中でなかなか良かったのが下記の店、「Qúan ngọai ô」(いなか食堂、とでも訳すか)。
支店が数軒あり、前に住んでいた家の近くにもあったのに、今まで行ったことがなかった。
奇を衒った料理ではなく、昔ながらの料理に回帰しよう、というコンセプトで、インテリアも田舎風。
この店の格付は「3」、おねだんとっても控えめ(この日は飲み物込みで一人500円ぐらいでした)、味はかなりよかった!です。









しじみの炒め物を揚げたごまつきライスペーパーと一緒に食べる料理。中部料理だよね。
あまじょっぱい味がわりとしっかり付いていて食べやすい。






あっ、テーブルにカニが・・・!

というのは嘘で、田ガニの丸揚げ。まるごと食べられる。カリカリしててビールのおつまみにいい!
(自分で並べました)









そしておなじみの五目鍋。
こちらも甘酸っぱい味がしっかり決まってました。
























春巻きや和え物等、どこにでもある料理も、よくある感じとはちょっと味が違ってて、泥臭さがなく、外人にも食べやすく、おいしかったです。久しぶりに本格的なベトナム料理が食べたーい!って気分だった私には、最適でした。
お店の場所は下の3店舗のようです。私たちはBa Trieu通りの店に行きましたが、ニッコーホテル近くのNguyễn Gia Thiềuのお店の雰囲気がよさそうです。

- 96 Hai Bà Trưng, Hà Nội; ĐT: (04) 39386869.
- 32 Bà Triệu, Hà Nội. ĐT: (04) 62784406.
- 19 Nguyễn Gia Thiều, Hà Nội. ĐT: (04) 39422424.

おすすめ!

2010年9月10日金曜日

パッションフルーツ


パッションフルーツ。ベトナム語ではChanh leo、またはChanh dây。
中身のオレンジ色のところをスプーンですくってこのまま食べる(種もバリバリと食べる)か、シントー xinh tố chanh leo にしてもおいしいですよね。めっちゃすっぱいけどね。
しかし後半泊まってたミニホテルの人が朝ごはんの時、「special lemonのジュースがおいしいけど飲む?」って言うから持ってきてもらったら、これだったんだけど、パッションフルーツってレモンじゃないよな。

ハノイから帰ってきました


ハノイから帰ってきました。これで7月末からつづいていたバタバタがようやく一段落つきそう。
今回のハノイについてちょっとずつ書きたいです。
とりあえず到着から。
行くたびに上がっている空港から市内までのタクシー価格で、今年の3月はたしか20万ドンを越えてたような気がするんだけど、今回はなんとメーター制に変わってました。
空港近くの住宅地に行く人もいれば、中心部より先の新都市に行く人もいるって状況に対応するためなのかな。でもメーターで行くと、旧市街あたりまで30万ドン近くするんじゃないだろうか。
だけど、今まで通り定額で行ってよって言ったらじゃあ27万ドンでって言う。こういう風に変に交渉に応じるから外人旅行者には不審に思われるんだけどな。

ちなみに、ハノイ市内から空港までの料金は相変わらず17万ドン定額(Airport Taxi社の場合)です。この差は何?

2010年8月16日月曜日

学生たち来日




現地拠点にいる学生たちの日本研修が始まり、私がベトナムで教えた1期生のうち5人が名古屋にやってきた。これから2週間ほど彼らの研修に付き合うことになる。
彼らがやってきた昨日の朝には、ベトナムの背景の中にしか存在しえないと思っていた彼らが日本の風景の中にいることが不思議に感じられたのだが、1日経った今日には、日本人や他の国の学生にもなじみ、もはや当たり前のように感じられる。彼らが国境を越えてこっち側に来てくれて、私はとってもうれしい。こちら側にひとり戻ってきた私はけっこうさびしかったのですよ。
今日は彼らと知多半島の篠島に行ってきた。スイカ割りなんかもしちゃって、学生たちも私たちも楽しんだ。すごい暑かったけど、なんだかサムイのボプットビーチを思い出すような意外にもきれいなビーチで、人も多すぎず、とってもなごんだ。海っていいな。しかも帰りには、河和で盆踊り&花火大会に遭遇し、50メートルも離れていないくらいのところからの花火も楽しめた。花火大好きだからうれしかった。日本の夏を1日に凝縮したみたいな1日だった!

2010年8月10日火曜日

しゃべればしゃべるほど

ほとんどしゃべらないで黙々とデスクワークをする日が続いたかと思えば、今度はひたすらしゃべるまくる日々。降れば土砂降り。
先々週、先週は、海外の拠点から帰ってきた講師たちと2週間にわたる会議が続き、普段顔を合わせることがない分、午前、午後、そして夜の飲み会と、ひたすらしゃべりまくった。こちらは仕事のことなので、いいことばかりではないけど、心強く思うこともあり。
続いて今週、久しぶりに指導教官やゼミの先輩と会って、最近の仕事のことや、仕事を通じて感じていることなどなど、久々にしゃべる。長い間お世話になっていて、仕事と直接関係ない方々だからこそ、話したいことがいっぱいある。
それから今週は「サマースクールアジアの法と社会2010という催しが行われていて、法整備に関心のある大学生・ロースクール生などが全国から集まっている。この中の、支援対象国からの留学生と日本人学生が討論するというセッションの中で少しお話させてもらう。私は法律が専門ではないんだけど、途上国に関わる中で発見したこと、彼らとの関わり方について思っていることを話した。そしてさらに懇親焼肉パーティーで、学生たちや実務家さんたちとしゃべるしゃべる。何かに関心を持ってそれを追い求めていこうと目が輝いている学生たちと話すのは、とてもわくわくして、大好きだ。
私は基本的に、しゃべればしゃべるほど調子が上がってくる。でも今日はあまりにしゃべりすぎて疲れたのか眠い・・・。

2010年8月8日日曜日

近況

ブログお引越し動作チェックもかねて近況など。

・先週から今週までは、仕事で各地に散っている同僚たちが日本に戻ってきて会議をするという会議週間だった。私は全会議に出席した。1年分の話をできるだけしようとするので、話しても話しても話が尽きず、濃い毎日だった。会議ってそう続けてできるもんじゃないよな…。だからかどうか、今週末は、脳が休息を求めている(という名目でスキあらばボーっとしている)。
日本に帰ってきて以来、会議の運営をする仕事が多い。日本人の集まる会議で、よい話題を選んでよい話が出てくるように運営するのは、なかなかたいへんで、技術が必要だ。今回は、普段会う機会のない同僚たちがゆっくり話す機会をとれるように、バズを取り入れたりしてみたが、それはわりとよかったみたいだった。でも、こういうタスクって、日本人の大人は最初すごくすごくいやがる。その抵抗を乗り越えるのはなかなか勇気のいることだ。
普段顔を合わせることができない同僚たちと話したりお酒を飲んだりするのは、とっても楽しかった。もっと頻繁に会えたらいいのにな…。

・今週末からは、各地の3年生たちが2週間の研修のために名古屋にやってくる。私のベトナムの1期生たち(通称・うちのよい子たち)もやってくる。私自身も日本で運営側に回るのは初めてだ。今週末から2週間、引率したり、オリエンテーションしたり、東京にも行ったりする。自分の国を出るのも初めての途上国出身の20歳前後の男の子女の子たち17人の一団で、そこにボランティアなども入ってきて、何が起こるやらだ。それに今回は初めての試みとしてえらい人を招いたパーティー等の運営などもある。準備はまだまだこれからだったりする。一体どうなることかしら???

・それが終わったら、すぐに数日だけだけど仕事でハノイに行くことになっている。あ、フライトまだ決まってないな。今年は、企業人のベトナム訪問をお手伝いすることが多い。これからも増えていくのかな?

・前期ベトナム語クラスが終了した。とっても楽しかった。最終週には、学内のカフェで「ベトナムコーヒーを飲む会」も開催した。学内のいろいろなところから集まった学生たちが出会う場にもなったようだ。そして試験をやってみた。日本語の会話試験のやり方を踏襲し、面接形式にしてみた。学生たちは大学ではこういう試験を受けることはないので、めちゃ緊張していた。日本人学生たちは、やっぱりシャイだよねー。
結果は、言語能力はともかくとして、彼らの異文化対処能力がとってもよくわかるテストになった。彼らのうち何人かは、私の刷り込みの影響を素直にうけて、さっそくベトナム旅行に行ったりするらしい。「日本人の若者が海外に出ていかなくなっている」という言説が大学内では流布しているが、こういう働きかけには素直に応えるところもあるようすを見ていると、大人たちのエネルギーが足りないせいでは?という気も、する。

ジュリー&ジュリア

ジュリー&ジュリア 公式サイト

うむ、まあまあ。
料理などのブログを書いて出版に至る女性は最近日本では多いが、そのさきがけみたいな現代アメリカの女性と、そのブログの題材になった昔の料理本の著者の女性のお話。
個人的には、料理を作る作業を見るのが大好きなので、楽しめた。それと、二人の女性の夫がとってもスイートで、料理と出版という自己実現にのめりこんだり、のめり込み過ぎてブチ切れたりしている妻をやさしく応援してくれるというのが心温まった(というか、うらやましかった)。現代女性の方のジュリアが、ブチ切れてケンカして夫が家出してしまった後、女友達と話しているシーンで、「私ってひどい女(bitch)だから…」「それはわかってる」って感じの会話に笑ってしまった。"bitch" ってそういう意味で使うのか…。やさしい夫でよかったね。
メリル・ストリープはとってもよかった。天真爛漫でいつも前向きなちょっと変人なマダムの人柄がよく伝わった。プラダを着た悪魔と同じ女優とは思えない。しかし、プラダを着た悪魔では離婚する夫役が、この映画では妻にベタぼれのラブラブ夫役を演じている。こういう配役も面白いな。
しかし、この映画のメリル・ストリープって、最近の松坂慶子にとっても似てませんか?その、特に、大柄なところが…。

2010年8月1日日曜日

伊藤忍・福井隆也「はじめてのベトナムおかず」

情報センター出版局の特集ページ

発売からずいぶん経ってようやく買うことができた。元ホーチミン市在住、ベトナム料理を日本で一番おいしく紹介できるコンビである伊藤忍さんと福井隆也さんの本です。
作ってみて、とってもいいと思ったのでまじめにご紹介。
この本にはベトナムの家庭や食堂でおなじみのおいしい料理のレシピが並んでいて、私も好きな料理ばかりだが、実は「フォー」も「生春巻き」も載ってない。そういう意味では入門向きでないと思う人も多くかもしれないと思う。ところが実際に作ってみると、ベトナムの調味料や食材をほとんど使わず、作り方も簡単で、そして確実においしく仕上がる、行き届いたレシピばかりだ。日本の食材を使っているからと言って、日本人にとって食べやすい、というだけでもない。ベトナム料理を食べ慣れた私にとっても、ほお~と思うほどベトナムらしい味にできあがる。
ベトナム料理は実際非常においしく豊かなのだが、本当においしいベトナム料理に出会うのは実は簡単じゃない。高級外食産業、料理学校などの教育、レシピなどを人々に広める料理マスコミなどが発展していないからだ。それは、発展途上国であり、かつ貴族や王族などの特権階級が現存しないという社会構造にも由来する。だから、高いレストランでもピントの外れた料理が出てくることも珍しくない。結局、料理上手の作る庶民の家庭料理が最もおいしいということになるのだが、暗黙知に支えられたその考え方や作り方のポイントを的確につかむのは、外国人はもちろんベトナム人にも難しいことなのだ。
これをなんとか理解したいと思うなら、ひたすら、いろいろな場所でいろいろな人の作る料理を食べ、作り方を習い、考えて、基本原理を自分で探し出していくしかない。伊藤さんのレシピはそうやってつくられたものだと思う。ただおいしい料理の作り方をそのまま真似するだけでなく、そこに通底する原理を考えてアレンジしているから、日本にある材料でもおいしくできるのだ。
例えば、煮物に甘みとコクを出すために使うココナッツジュースをりんごジュースに置き換えたり、ベトナム人が旨み=甘みと考えて使うベトナム風のうま味調味料を少量の砂糖に置き換えたりしているのだが、こうすることで、慣れない材料を使ったレシピよりもむしろおいしくできる。また、干しえびを一度炒めて香りを出してから煮てスープを取るとか、タレを作るときに水ではなくお湯で割るなど、料理上手なら知っているのかもしれないコツを理由を踏まえて解説してくれている。だからどうしてそうしたほうがいいのか納得できる。
だから、フォーも生春巻きもなくても、初めての人にもおすすめできて、ベトナム料理をよく知る人にも納得できる、価値ある一冊だと思う。私は全部作ってみてマスターしたいと思っています!

ダージリン急行


まあ、なんという荒唐無稽さ、バカバカしさ・・・。
しかし、仲違いしていたアメリカ人3人兄弟が調子外れなインド列車の旅を通して癒され、絆を結び直すという要点は、違和感なくちゃんと伝わってきた。私も三人姉妹なので、兄弟姉妹ものって好きです。
美術に著しく手がかかっていて、列車の外装内装、お寺、トゥクトゥクなどの乗り物、3人兄弟やインド人の衣装、田舎の村の風景などすべてが、サイケデリックかつ温かい暖色系色調にまとめられている。食堂車の皿の絵まで全部手作りだったそうだ。てんでばらばらなのに統一感がある。音楽も力が抜けていて、ロック・インド音楽・シャンソンまで全くバラバラなのに全体的にすごくいい。(エンディング曲がなぜかオー・シャンゼリゼ。)インドに対する視線が優しいのもいい。
インドに行ってみたいね。

2010年7月20日火曜日

佐藤優 講義@愛知サマーセミナー 2010年7月18日

連休初日の土曜日に佐藤優の講義を聞きに行ってきた。

これは、「愛知サマーセミナー」という催しの中で行われたものだった。愛知県の私立高校を支援するグループが中心となって毎年行われていて、夏休み中の高校などを利用して、市民が自由に参加できる学校を開くというイベントらしい。大物だけでなく、年齢問わず誰でも先生になることができて、一度に50以上?の教室が開かれているようだった。たまたま、うちの近所の椙山女学園や愛知学院大学歯学部などが会場になっていて、家のポストにビラが入っていたというのが、見に行くきっかけだった。
愛知サマーセミナー

佐藤優がこのイベントに来るのは今年が初めてではなかったらしい。100人くらい入れる中くらいの大きさの教室が会場で、ちょっと小さいかなと思ったが、お客さんはぎっしりで立ち見が出ていた。客層は、高校生もいたが、30代~5、60代のおとなが中心だ。

講義は午後いちから始まって、なんと5時前まで、4時間ぶっとおしだった!
最初の1時間半は、「今の日本の政治はどうなっているか」という演題で、政治、国家の定義から始まり、先日の参議院選の結果についての論評を中心に話した。そしてそれから、観客から集めた質問用紙全部に答えていった!昨年もそうだったそうで、お客さんたちはこれを楽しみに集まっているようだった。

すごい迫力の語り口に、私は思わずメモをとりながら聞いていたんだけど、印象に残った言説は:
(ちょっと私の解釈も入ってるけど)
・今、政治の世界では、官僚と政治家の激しい権力闘争が起こっている。
・菅直人は現実主義者で政治に夢は持たない、ある意味で官僚的な政治家。
・修正社会主義的な政策は、気をつけないとファシズムに偏りやすい。
・普天間は辺野古ではまとまらない。5月末の合意は、本来は完全な合意に達していないものを、官僚が
 あえて合意したかのように装った。まだ時間がかかるし、かけないといけない
・このまま無理に沖縄に基地を押し付けると、沖縄は独立運動を始めるかもしれない。そのくらいの局面
 にきている。それは日本にとっても沖縄にとっても望ましいことではない。
・沖縄は日本から支配されても、中国から侵略されたことはない。その歴史感覚を理解すべきだ。
・政治とは、異なる立場にある人達が利害を調整すること。政党とは「部分の代表」、それぞれの利益
 グループが自分の利益を守るために作るもの。だから「みんなの」党というのはありえない
 (それはファシズムになる)。
・だからこそ政治においては、自分の利益を主張しながらも「他人の感覚を理解すること」が必要。
 他人の感覚を踏みにじってはいけない。
・郵政民営化は虚構の権力闘争。なぜなら、郵政は税金を使っていないから、郵政を民営化しても財政は
 合理化されないから。
・「子ども手当」の満額支給が実現されなかったのは、財源が足りなかったからではない。財源が足りない
 政策は他にも山ほどある。それは官僚が一斉に反対したから。なぜなら、子ども手当は「全員に支給」
 だから、官僚が裁量を振るう余地がないから。官僚は裁量がないものを嫌う。
・官僚の行動原理を理解するには、彼らの「集合的無意識」(ユング)をつかむことが重要。
・国家は原則として軍がなければ維持できない。だから憲法9条は日米安保条約とパッケージだ
・鳩山前首相は改憲論者。だから、海兵隊を沖縄県外に出してもいいと思っていて、そうしたら改憲して
 自衛隊を増強するつもりだったと思う
・外交の原則は、相手が強く出たらこちらも強く出て、相手が引いたらこちらも引くもの。でも日本はその
 逆をやるから、うまくいかない
・嫌な相手とでもつきあわなければことは進まない
・「国家は(官僚が)収奪する組織」
・日本人は農本主義。ものづくりにおける「いいものを作りたい」という感覚は、農業の感覚
・政治において、利権があることが悪いのではない。利権から政治家がお金を抜いている(=腐敗)ことが
 あれば、それこそが問題。
・投票したい政党、候補者がないときは、国民はどうすればいいか?
 ←投票しないこと、白票には意味がない。絶対になってほしくない政党、候補者をつぶせる人に投票すれ
  ばいい
・民主党はポリシーなき単なる利権集団だが、今は他に選べる選択肢はない。
・民主主義を維持するには、中間団体の存在が大切(モンテスキュー「法の精神」より)
 効率性、物質主義以外の原理を重視する価値観が重要
・自分と利害、波長の一致する仲間のグループを作り、そういうグループを複数作ることが有効
・政治をよくするために国民がすべきことは、自分たちのグループをつくり、その代表を立てて、政治に文句を
 言う事。
・外国人参政権については、自分は反対。中途半端な権利しか持たない二級市民を作ることになるから。
 また、在日団体もこれを望んでいない。それより、国籍条項を緩くする方がいい

・・・と、後半は質問に答える形式だったので、一つ一つにはまとまりがないんだけど。
佐藤さんの主張する、「右翼でありながら(古典的)自由主義者」という立場が、これまでよくわからなかった
んだけど、話を聞いて少し理解できた。著書の中で佐藤さんは「絶対的なものはある、ただし複数ある」と言
っているが、話を聞いていてなるほどそういうことかと思った。
みんな、国によって、民族によって、いろいろな属性によって、あるいは個人によって、それぞれ譲れない
主義主張、守りたい利益やプライドがある。そのために主張はする。でも、自分とは違う相手の感覚を踏み
にじってまでそれを押し通すことはまちがっている。佐藤さん自身もカトリック教徒で神学研究者なんだけ
ど、神がキリストだけだとは思っていないし、神学を研究していれば自然とそういう立場に行き着くはずだ
といっている。それは納得できる。文系学問を追求し、外国で働いた知識人ならではの立場だと思う。

感動したのは、とにかく大量のいわゆる「一次文献」を読んでいること。参考文献として、マルクスやらヘー
ゲルやらユングやら、幅広い分野の原典がばんばん出てくる。一次文献を読むのは大変だが、ちゃんと読
んでそこから何かを読み取った人の言説は強いと思う。やっぱり勉強しなきゃいけないね!

私は佐藤さんが実際に話すのを見るの初めてだったんだけど、印象は、意外とくだけた人柄でありながら、
常に本当にまじめ、くそまじめで真剣。自分の使命をとことん全うし尽ししたいと思っている人だと思った。
そこは宗教家らしい。
そして、ばっさり切り捨てるような強い語調もありながら、聞き手を絶望させるような発言は決してしないの
も印象的だった。それが論理的思考というものだ。
政治についてのマスコミの発言は、いつも救いがなく行き止まりであるように聞こえるから、一般市民は聞
きたくなくなってしまうんだと思う。人を絶望させるような言説は人のためにならない。実際はそうではなくて、
どんな状況にあってもその時するべきことがあって、それは何かを考えなければいけないのだからだ。

観客もとても熱心で、講義の最後に「来年も来て下さい!」と掛け声がかかるほどで、「マスター・キートン」
に出てくるユーリー先生の市民講座をほうふつとさせた。
私もとても楽しかったしおもしろかった。また来年も参加したいと思います!

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http://kasooeki.exblog.jp/ から、引越し検討中です。