2010年11月24日水曜日

Delicious Ceramic@ハノイ、バッチャン村

こんばんはー。
9月のハノイの記事を全部書き終わらないうちに、11月の滞在もとっくにもう終わってしまった…。

さて、ずっと書こうと思っていたDelicious Ceramicです。
9月のハノイ滞在の時に、思い立ってバッチャンに出かけてみました。
バッチャンというのはハノイ市内、中心部の東側に流れるホン河の東岸の地域にある陶器の村です。
最後にバッチャンに行ってからもう2年ぐらい経つと思うんだけど、久しぶりに行ってみたらすっかり様子が変わっていてびっくりした。まず、初めて往復とも路線バスで行ってみた(片道5000ドン=約20円)んだけど、ホン河にかかるロンビエン橋のたもとのバスターミナルがいっぱしの近代的ターミナルになっていたところからけっこうな驚きだった。(1~2年前からこうなっていたんだけど)
立派になったロンビエンバスターミナルは屋根が波打つデザイン。雨除けとしてはいまいちか。
 バスでバッチャンまでは30分~45分ぐらいで、川を渡ってしばらくは、周囲が住宅開発地区になっていて道もきれいに舗装されていた。しかし途中からは、昔と変わらず砂埃立ち牛がたたずむ土手の道だった。(途中にエコパークと銘打つ公園らしきものができていたけど、あれはなんだろう?)

 終点でバスを降りると、陶器市場の手前に屋台が出て賑わっていた。
その近くには、陶器に絵付け体験をしたりできる店が並んで、そして高校生ぐらいの若い子たちがいっぱいだった。そういえば、私の学生たちも週末にグループでバッチャンに遊びに行ったりしていた。最近のバッチャンは、ハノイの街の子たちが低予算で気軽に遊びに来る観光地になっているみたいだ。都市化、経済成長に伴う変化なんだろうなあ。
 しかしほんのちょっと前までは本当に何もない、外国の観光客以外は来る人もいない、お茶を飲むところすらない、ひなびた村だったんです。

ベトナム人観光客向け屋台。サトウキビジュースとか、焼きソーセージとか。ただしほこりっぽい。
 とはいえバッチャンの陶器の品揃えは特に昔と違いはなかった。町から遊びに来る若者たち向けのささやかな記念品のようなものはいっぱいあるけど、全体的には昔以上に画一的。

 ただし、たった1軒だけ突然変異的に周りと全く違う世界観を醸し出している店がある。それが今回私がバッチャンまで出かけてきた目的であるDelicious Ceramicなのですが・・・

竹やぶと赤い看板と窓枠が目印。
 バッチャン村でバスを降りて、突き当たりを右のほうにずーっと行ってください。そのへんの人に住所を尋ねながら10分ぐらい歩くと、明らかに周囲と雰囲気の違う、異様に垢抜けた竹やぶと赤い看板が見えてくるのですぐわかります。住所は 227 Giang Cao, Xom 5, Bat Trang。


作家のお母さん(けっこうやり手)がいます。
中は、おちょこ・そばちょこ・小さい取皿などの小さめの陶器を中心にステキにディスプレイされている。陶器にはどれも、子どもの落書き風の、味のある絵が入っている。生地の質感は粒子が荒くて厚くコロンとしたバッチャン独特のものだけど、デザインが全く違う。いったいどういうわけでこんなデザインのものがここに?
店番のおばあちゃんに聞いてみると、ここの品を作っているのはおばあちゃんの息子さんで、特別デザインを勉強したとかそういうわけではなく、ただ好みでこういう子ども落書き風の絵を入れているんだそうだ。店のインテリアは赤がアクセントになっているが、単に息子さんが赤が大好きだというだけらしい。外国人が関わってるとか、そういうことも全くないらしい。ただ、奥さんの旦那さんはロシアに住んでいた方だそうで、外国に縁のある家族ではあるようだけど・・
ハノイでは、けっこうたまに、特別な環境にいるわけでなくてもとびぬけてセンスがいい家族に出会う。そういう人たちだろうか。

ディスプレイもかっこいいのだ。
値段は、おちょこサイズでも200円ぐらいと、そこらへんのバッチャンの数倍すると思われる、なかなか強気な値付けだ。おばあちゃんもしっかり売り込んでくる。でもこの垢抜けぶりなら売れてるだろうと思う。実際、私もおしゃれで力の抜けた雰囲気がすごく気に入って、おみやげにも自分用にもかなりたくさん買って帰った。お皿、マグカップなど、家で愛用している。

ふつうのバッチャンを楽しんだリピーターならば、2度目にぜひ行ってみてね。今のところ、バッチャンは、ここだけが突然変異的にユニークなだけなんだけど、これからこんな独創的な人達が増えたら面白いんだけどな・・・。