2010年8月16日月曜日

学生たち来日




現地拠点にいる学生たちの日本研修が始まり、私がベトナムで教えた1期生のうち5人が名古屋にやってきた。これから2週間ほど彼らの研修に付き合うことになる。
彼らがやってきた昨日の朝には、ベトナムの背景の中にしか存在しえないと思っていた彼らが日本の風景の中にいることが不思議に感じられたのだが、1日経った今日には、日本人や他の国の学生にもなじみ、もはや当たり前のように感じられる。彼らが国境を越えてこっち側に来てくれて、私はとってもうれしい。こちら側にひとり戻ってきた私はけっこうさびしかったのですよ。
今日は彼らと知多半島の篠島に行ってきた。スイカ割りなんかもしちゃって、学生たちも私たちも楽しんだ。すごい暑かったけど、なんだかサムイのボプットビーチを思い出すような意外にもきれいなビーチで、人も多すぎず、とってもなごんだ。海っていいな。しかも帰りには、河和で盆踊り&花火大会に遭遇し、50メートルも離れていないくらいのところからの花火も楽しめた。花火大好きだからうれしかった。日本の夏を1日に凝縮したみたいな1日だった!

2010年8月10日火曜日

しゃべればしゃべるほど

ほとんどしゃべらないで黙々とデスクワークをする日が続いたかと思えば、今度はひたすらしゃべるまくる日々。降れば土砂降り。
先々週、先週は、海外の拠点から帰ってきた講師たちと2週間にわたる会議が続き、普段顔を合わせることがない分、午前、午後、そして夜の飲み会と、ひたすらしゃべりまくった。こちらは仕事のことなので、いいことばかりではないけど、心強く思うこともあり。
続いて今週、久しぶりに指導教官やゼミの先輩と会って、最近の仕事のことや、仕事を通じて感じていることなどなど、久々にしゃべる。長い間お世話になっていて、仕事と直接関係ない方々だからこそ、話したいことがいっぱいある。
それから今週は「サマースクールアジアの法と社会2010という催しが行われていて、法整備に関心のある大学生・ロースクール生などが全国から集まっている。この中の、支援対象国からの留学生と日本人学生が討論するというセッションの中で少しお話させてもらう。私は法律が専門ではないんだけど、途上国に関わる中で発見したこと、彼らとの関わり方について思っていることを話した。そしてさらに懇親焼肉パーティーで、学生たちや実務家さんたちとしゃべるしゃべる。何かに関心を持ってそれを追い求めていこうと目が輝いている学生たちと話すのは、とてもわくわくして、大好きだ。
私は基本的に、しゃべればしゃべるほど調子が上がってくる。でも今日はあまりにしゃべりすぎて疲れたのか眠い・・・。

2010年8月8日日曜日

近況

ブログお引越し動作チェックもかねて近況など。

・先週から今週までは、仕事で各地に散っている同僚たちが日本に戻ってきて会議をするという会議週間だった。私は全会議に出席した。1年分の話をできるだけしようとするので、話しても話しても話が尽きず、濃い毎日だった。会議ってそう続けてできるもんじゃないよな…。だからかどうか、今週末は、脳が休息を求めている(という名目でスキあらばボーっとしている)。
日本に帰ってきて以来、会議の運営をする仕事が多い。日本人の集まる会議で、よい話題を選んでよい話が出てくるように運営するのは、なかなかたいへんで、技術が必要だ。今回は、普段会う機会のない同僚たちがゆっくり話す機会をとれるように、バズを取り入れたりしてみたが、それはわりとよかったみたいだった。でも、こういうタスクって、日本人の大人は最初すごくすごくいやがる。その抵抗を乗り越えるのはなかなか勇気のいることだ。
普段顔を合わせることができない同僚たちと話したりお酒を飲んだりするのは、とっても楽しかった。もっと頻繁に会えたらいいのにな…。

・今週末からは、各地の3年生たちが2週間の研修のために名古屋にやってくる。私のベトナムの1期生たち(通称・うちのよい子たち)もやってくる。私自身も日本で運営側に回るのは初めてだ。今週末から2週間、引率したり、オリエンテーションしたり、東京にも行ったりする。自分の国を出るのも初めての途上国出身の20歳前後の男の子女の子たち17人の一団で、そこにボランティアなども入ってきて、何が起こるやらだ。それに今回は初めての試みとしてえらい人を招いたパーティー等の運営などもある。準備はまだまだこれからだったりする。一体どうなることかしら???

・それが終わったら、すぐに数日だけだけど仕事でハノイに行くことになっている。あ、フライトまだ決まってないな。今年は、企業人のベトナム訪問をお手伝いすることが多い。これからも増えていくのかな?

・前期ベトナム語クラスが終了した。とっても楽しかった。最終週には、学内のカフェで「ベトナムコーヒーを飲む会」も開催した。学内のいろいろなところから集まった学生たちが出会う場にもなったようだ。そして試験をやってみた。日本語の会話試験のやり方を踏襲し、面接形式にしてみた。学生たちは大学ではこういう試験を受けることはないので、めちゃ緊張していた。日本人学生たちは、やっぱりシャイだよねー。
結果は、言語能力はともかくとして、彼らの異文化対処能力がとってもよくわかるテストになった。彼らのうち何人かは、私の刷り込みの影響を素直にうけて、さっそくベトナム旅行に行ったりするらしい。「日本人の若者が海外に出ていかなくなっている」という言説が大学内では流布しているが、こういう働きかけには素直に応えるところもあるようすを見ていると、大人たちのエネルギーが足りないせいでは?という気も、する。

ジュリー&ジュリア

ジュリー&ジュリア 公式サイト

うむ、まあまあ。
料理などのブログを書いて出版に至る女性は最近日本では多いが、そのさきがけみたいな現代アメリカの女性と、そのブログの題材になった昔の料理本の著者の女性のお話。
個人的には、料理を作る作業を見るのが大好きなので、楽しめた。それと、二人の女性の夫がとってもスイートで、料理と出版という自己実現にのめりこんだり、のめり込み過ぎてブチ切れたりしている妻をやさしく応援してくれるというのが心温まった(というか、うらやましかった)。現代女性の方のジュリアが、ブチ切れてケンカして夫が家出してしまった後、女友達と話しているシーンで、「私ってひどい女(bitch)だから…」「それはわかってる」って感じの会話に笑ってしまった。"bitch" ってそういう意味で使うのか…。やさしい夫でよかったね。
メリル・ストリープはとってもよかった。天真爛漫でいつも前向きなちょっと変人なマダムの人柄がよく伝わった。プラダを着た悪魔と同じ女優とは思えない。しかし、プラダを着た悪魔では離婚する夫役が、この映画では妻にベタぼれのラブラブ夫役を演じている。こういう配役も面白いな。
しかし、この映画のメリル・ストリープって、最近の松坂慶子にとっても似てませんか?その、特に、大柄なところが…。

2010年8月1日日曜日

伊藤忍・福井隆也「はじめてのベトナムおかず」

情報センター出版局の特集ページ

発売からずいぶん経ってようやく買うことができた。元ホーチミン市在住、ベトナム料理を日本で一番おいしく紹介できるコンビである伊藤忍さんと福井隆也さんの本です。
作ってみて、とってもいいと思ったのでまじめにご紹介。
この本にはベトナムの家庭や食堂でおなじみのおいしい料理のレシピが並んでいて、私も好きな料理ばかりだが、実は「フォー」も「生春巻き」も載ってない。そういう意味では入門向きでないと思う人も多くかもしれないと思う。ところが実際に作ってみると、ベトナムの調味料や食材をほとんど使わず、作り方も簡単で、そして確実においしく仕上がる、行き届いたレシピばかりだ。日本の食材を使っているからと言って、日本人にとって食べやすい、というだけでもない。ベトナム料理を食べ慣れた私にとっても、ほお~と思うほどベトナムらしい味にできあがる。
ベトナム料理は実際非常においしく豊かなのだが、本当においしいベトナム料理に出会うのは実は簡単じゃない。高級外食産業、料理学校などの教育、レシピなどを人々に広める料理マスコミなどが発展していないからだ。それは、発展途上国であり、かつ貴族や王族などの特権階級が現存しないという社会構造にも由来する。だから、高いレストランでもピントの外れた料理が出てくることも珍しくない。結局、料理上手の作る庶民の家庭料理が最もおいしいということになるのだが、暗黙知に支えられたその考え方や作り方のポイントを的確につかむのは、外国人はもちろんベトナム人にも難しいことなのだ。
これをなんとか理解したいと思うなら、ひたすら、いろいろな場所でいろいろな人の作る料理を食べ、作り方を習い、考えて、基本原理を自分で探し出していくしかない。伊藤さんのレシピはそうやってつくられたものだと思う。ただおいしい料理の作り方をそのまま真似するだけでなく、そこに通底する原理を考えてアレンジしているから、日本にある材料でもおいしくできるのだ。
例えば、煮物に甘みとコクを出すために使うココナッツジュースをりんごジュースに置き換えたり、ベトナム人が旨み=甘みと考えて使うベトナム風のうま味調味料を少量の砂糖に置き換えたりしているのだが、こうすることで、慣れない材料を使ったレシピよりもむしろおいしくできる。また、干しえびを一度炒めて香りを出してから煮てスープを取るとか、タレを作るときに水ではなくお湯で割るなど、料理上手なら知っているのかもしれないコツを理由を踏まえて解説してくれている。だからどうしてそうしたほうがいいのか納得できる。
だから、フォーも生春巻きもなくても、初めての人にもおすすめできて、ベトナム料理をよく知る人にも納得できる、価値ある一冊だと思う。私は全部作ってみてマスターしたいと思っています!

ダージリン急行


まあ、なんという荒唐無稽さ、バカバカしさ・・・。
しかし、仲違いしていたアメリカ人3人兄弟が調子外れなインド列車の旅を通して癒され、絆を結び直すという要点は、違和感なくちゃんと伝わってきた。私も三人姉妹なので、兄弟姉妹ものって好きです。
美術に著しく手がかかっていて、列車の外装内装、お寺、トゥクトゥクなどの乗り物、3人兄弟やインド人の衣装、田舎の村の風景などすべてが、サイケデリックかつ温かい暖色系色調にまとめられている。食堂車の皿の絵まで全部手作りだったそうだ。てんでばらばらなのに統一感がある。音楽も力が抜けていて、ロック・インド音楽・シャンソンまで全くバラバラなのに全体的にすごくいい。(エンディング曲がなぜかオー・シャンゼリゼ。)インドに対する視線が優しいのもいい。
インドに行ってみたいね。