2011年9月25日日曜日

ホーチミン市日記

ホーチミン市出張、1週間過ぎました。街をゆっくり歩いたりする余裕がなかなかないですが、近況。

・南部方言には苦戦。発音を少しでもやってみようと思ってたけど、こちらではいろんなところの出身の人がいて、それぞれ発音がぜんぜん違う。ニャチャンなど中南部の人が多いけど、反り舌化が激しくて、最もわからない。深南部方面は、何でもヤ行音化?する感じ?高さも全体的に高く、前よりで、とってもやわらかーい。誰をモデルにしていいのかわからない。中途半端に真似しようとすると聞き間違えられてしまうし、北部方言で発音すれば間違えられることはないので、とりあえず断念。聞いて理解することを優先したほうがよさそう。しかしこれは時間がかかりそうです。南部方言を女の子が話すと可愛いくて、できるようになりたいんだけどなー。

・初めてバスに乗ってみた。楽しい。路線もいっぱいあって4000ドンで安い。降りるバス停の名前も放送されてわかりやすい。今日乗ったバスはいわゆるワンマンで、自動でレシートが出てくる機械が備え付けられてた(ハノイのバスは車掌がお金を集める式)。一度、軽トラの荷台が客席になってるやつ(あれ、ベトナム語でなんて言うんでしょう?)に乗ってみたい。

・バスに乗ってチョロンに行ってホーロー製品を探したんだけど、見つからなかった。ベンタイン市場のおばさんに、「チョロンに行けばある」と言われたんだけど、探しきれず。今月号のスケッチの特集で、ハイフォンに工場があると紹介されてたんだけど、南部にはもうあまりないのかな。ところがたまたま今日会った人がハイフォン出身で、お母さんが画家で、昔このハイフォンのホーロー工場で製品に絵を描いていたんだって!すごい偶然。いつかハイフォンに行ってこのお母さんに会って、ホーロー製品工場を案内してもらいたい。ホーローはとりあえず、次にハノイに行ったときに買うことにする。

・ライブハウスに2軒行ってみた。1つはおなじみのYOKOで、ここはいつ行ってもいい店。内装がかなり変わってて、客席が広くなってた。スタンダードをフュージョン風にアレンジして演奏するステキなバンドがやってました。若い子たちだった。ピアニストがステキだった(けどこの人の吸うタバコの煙がきつくて咳が止まらなくなった)。2軒目はCafe Betという店で、奥まったところにあるアングラな感じのところだ。板張りで靴を脱いで入るのが芝居小屋っぽい。日替わりでお芝居や音楽をやってるらしい。音楽はアコースティックなもの限定のようだ。私が見に行った日は、日本で言うと「昭和30年代歌謡曲」という感じの曲をピアノ伴奏で歌う男の子が順繰りに出てくるという日だった。ものすごい古い感じで「歌声喫茶」かという感じ。若い子たちが360度回転してこういうものを聞いて楽しむようになってるというのは面白い。もう1・2軒行ってみたい。こういう店は3区のNguyen Dinh Chieu近辺に多いみたいだ。ただ、夜、一人でこういうところをどのくらいうろうろしていいものか、ちょっとつかめない。

・フィルム写真がぜんぜん撮れてない。実はカメラが故障していて、シャッター押した後ミラーが戻らなくなってしまった。でも、レンズをねじって外しかけるとミラーが戻るので、撮れないこともない。なんだけどどうも写真を撮りに行く気分になれない。まあ、仕事のこと考えてるからでしょう。実は今回カラーフィルムを持ってきている。ドンコイ通りで古いカメラを売ってるおじさんがいて、いろいろ見せてもらった。PEN-Fとか2眼もあった。2眼はローライ、リコー、ヤシカがあって、ヤシカが一番安くて550万ドンだといわれた。見せてもらったけど意外ときれいで撮れそうだった。120ミリのフィルムも売ってて1本3ドルぐらいで、現像もできる店いっぱいあるって。ぐらっときたなー。

・意外にも北部人によく会う。カウンターパートの大学の学長(女性)も北部人。ホーチミン人の友達曰く、北部のほうが言葉の表現が豊かで、変わった言い方をしたり間接的な言い方をしたりよくする。頭良さそうではあるけど、気取った感じがする。とのこと。たしかにそういう気がする。私はハノイ人の言葉遊びは嫌いじゃないけど、ちょっと内輪受け的で、南部人みたいに気さくではないよね。でも南部在住の北部出身者たちが意外に南部をほめる。気候がいいし、開放的だし、変なしがらみもないし、とのこと。そうだよねーとも思う。南部には北部人がいっぱいいるけど、北部にはそんなにいない。北部にももっと南部人が進出して、もっと混ざり合えばいいのに。と思う。私にとって南部で最もいいと思うことは、清潔。しかし北部料理の店の看板とか見ると、なんだかなつかしくて入りたくなっちゃって、われながらアホかと思う。

ひょっとすると仕事の都合で予定を数日延長するかもしれない。こっちはまだ雨季が終わらない。雨が降るとちょっと肌寒かったりする。日本に帰ったらもう10月、寒そーだな。ハノイももう秋らしいよね。いい気候の時期になってきたよねー。

2011年9月22日木曜日

2011年9月18日日曜日

ホーチミン写真

A birthday party

HCMの食べもの写真

カフェでものっすごいスコールに降られた。幸いWIFIがあったので、HCMの食べ物写真をアップします。

下の記事にでてきたBột chiên。四角いのが、餅っぽいものです。
初めて食べた。味は薄め。右下に見えるにんにく油をかけます。
ちなみに、一見ガス台に見えるけど、ペンキ缶みたいなのに炭を入れて鉄板をのせただけ。

この料理が好きすぎる。Nêm lùiといって、甘辛い味のついたひき肉のつくねみたいなのを、
香草と一緒にライスペーパーに包んで、ピーナッツのソースをつけて食べる。
薬味としてスターフルーツ、生バナナのスライスも入る。
これに似た料理は全国にあって、これは中部・中南部のスタイルだと思います。
ニャチャンでおいしいの食べたよなー。

Cơm hến (しじみ汁かけご飯)。しじみなどの具ののったごはんに、しじみの出汁のスープをかけて
食べる。中部料理。具と薬味がすごく複雑。この店のは粉唐辛子が入ってかなり辛かった。
フエ料理。"Nam Giao"にて。

Hủ Tiếu(ビーフンの類、南部料理)屋のテーブルセッティング。
北部と違います。紙がない(ここだけ?)。

やっと雨やんだ。でもこの調子では街は大渋滞だろうな!

ホーチミン日記 20110917

仕事でホーチミン市に来ています。今回は2週間弱の滞在で、HCMにこんなに長く滞在するのは初めて。いろいろ新しいことが多いので日記を書いてみます。
まず気づいたことから。

○言葉がわからない
わからない・・・。近所の屋台のおばちゃんが言ってることが半分ぐらいわからない(涙)。
仕事では北部人も多いし、私の言ってることはわかってもらえるので、なんとかきりぬけられないこともないが。人によってずいぶん違って、かなり北部方言に近い人とそうでない人の差が激しい。庶民的な人ほどわからない。南部の地方から出てきる人たちの発音がわからないのか?
今分かる範囲ではこんな感じ。 
1)1音節レベルで声調(重い声調・尋ねる声調と、上がる声調・折れる声調がだいたい同じにな
って4声調?違う?)。
2) 1)に伴って2音節の声調の組み合わせのcoutourが北部とぜんぜん違う。
例えば"Khổ quá"だと、北部ではkhổの尋ねる声調で一度最低音まで下がってからquáで上昇
    するののだが、こっちでは「上がる+上がる」となる。
3)/v/ /z/は/y/化するが人によって全部する人と一部しかしない人がいるみたい。
つづりRは北部ではザ行音だがこちらでは/r/か、ふるえ音。これもまだつかみきれない。
"tr"はそり舌音。
4)二重母音の音色が違う。"-iê-"は北部でははっきり「イエ」と読むがこっちではe音がとても軽
くて、iの長母音のように聞こえる。"-ươ-"なども同様。これが慣れない。
5)単母音の音色もかなり違う。"a"はより前舌。"ê""i"は激しく中舌化。
6)末子音の区別は、本に書いてある通り、かなり弱くて違いがわからない
全体として、北部方言で意味の弁別に使っているキューが軒並み使えなくてわからない。これに輪をかけて、語彙も、語彙の選択も違う。語彙としては北部でも使う語彙を使っていても、あることを北部とはぜんぜん違う言い方をすることがある。うう・・・。
今回の滞在中の目標としては、2音節の声調の組み合わせのCoutourぐらいはちょっとつかみたい。あと単母音・二重母音の音色もちょっとまねしたい。でも北部では意味を区別するためにはっきり区別して発音するよう心がけていたものを、区別が曖昧になる方向に修正するのはけっこう抵抗を感じる。自分が話せなくてもいいか。せめて聞いてもうちょっとわかりたいものだ。

○北部人が多い
ほんとうに思ったより多い。観光や仕事で短期滞在している人も多いみたいだし、戦中戦後の移住、最近の転勤などで移動してきて、すでに長く住んでいる人も多い。街を歩いていても普通に北部弁が聞こえてくる。今日会った北部出身の知人の話によると、身の回りの50%は北部人じゃないかという(それは多すぎ?)大学の中にも多い。カウンターパートの大学の学長は北部人。路地の中とか地元っぽいところではあまり出会わないけど。政府系とか、ホワイトカラーの仕事をしてる人が多いってことだろうか。北部料理のレストランもたくさんある。

○社会の構造がかなり違う
大雑把な言い方だけど。例えば、ハノイでは、サービス業で働いている人に年配の人はほぼ存在しなくて、ほぼ20代なのだが、こっちでは、ホテルマンやデパートの職員などで40、50代のベテランっぽい人が普通にいる。これは大きな違いだ。たぶん、こっちではサービス業の業種が30年以上前から存在し、ずっと働き続けている人がいるってことじゃないかと思うんだけど、違うかなあ。北部では飲食等以外にサービス業という業種が現れたのはまだ最近だ。

○屋台がいっぱいあって便利
軽食の屋台が多い。ハノイでは田舎から天秤棒を担いだ行商式の奥さんたちが通ってきて広げる露店が多いが、南部のはほんとに転がして運べる屋台の形をした屋台がある。流している屋台もあるが、朝昼晩と同じ場所にいる屋台も多くて、時間によって違う物を売ってたりする。ハノイの場合、行商の奥さんたちは決まった時間しかいなかったり移動して行ったりするので、なかなかつかまらない。
ちょっとした路地には屋台があってすぐに何か食べられる。便利だ。バンコクに似ている。ふつうに美味しい。昨日、到着してすぐ大学に打合せに行って、お腹がすいたので大学の前にいた屋台でタマゴサンドBánh mì trứng(フランスパンに焼きたて卵と野菜やパテなどをはさむ)を作ってもらって食べたんだけど、全く当たり前の味なんだけど改めておいしかった。ベトナムのタマゴサンド大好きなのだ。
昨日の夜、スコールが降って食事に出られなくて、遅くなってからお腹がすいて、宿の脇の路地に入ってみたらうまいこと屋台がいて、Bún thịt nướng(生ビーフンと焼肉の和え麺)と刻んだ果物のシロップがけをお持ち帰りできた。図らずもデザート付きだ。ふつうにおいしい。この路地には朝から晩まで4軒ぐらい屋台が並んでいて、麺もの、炒め物、果物、とうまく分業している。お昼はご飯におかずも出している。すべてお持ち帰り対応だ(これもバンコクに似ている。ハノイではこうでもない)。Bún thịt nướngとか、Bột chiên(これなんだろ?お米の粉を練ってサイコロ型に切った餅っぽいものを鉄板で焼いて卵とじにしたやつ)とか、北にはないものもある。

○街の匂いが違う
料理も甘い味付けが多いこともあってか、ホーチミン市は全体的になんとなく甘い香りがする、ような気がする。ドリアン、ジャスミン、バニラ、これはむしろバンコクに似ているなー。うまく説明できないんだけど・・・。