2011年2月12日土曜日

2010年のベトナム語クラス総括

大学の学期終了時期です。後期のベトナム語クラスも試験をして修了した。
後期は「ベトナム人と友達になる」というテーマで、自己紹介や家族、趣味など、初めて会ったベトナム人とスモールトークができる要になるという目標ですすめた。発音はレベル2に進んで、連続する音節の声調の区別を勉強した。
後期で面白かったことの一つは、後期から入ってきた初学者の学生がよくできて、最後には前期から継続の学生と同じレベルで試験ができたことだ。ベトナムに興味を持っている学生たちで、動機がはっきりしていたこともあると思う。
もう一つ面白かったことは、声調は早い時期から勉強できるし、コミュニケーションにも役に立つということだ。後期に初学者の学生といっしょに発音レベル2に進んで、分節音の発音もそこそこの状態で、先に声調の特徴と区別を勉強してもらうことになったんだけど、分節音より先に声調の区別を扱っても学生はそれなりにわかるようになる。
分節音の発音を優先して教えていると、なかなかできるようにならないし、1音節の発音から次に進めないのでコミュニケーションにつながりにくい。一方、声調、特に連続する音節の声調パターンは、分節音より早くできるようになるし、意味のある発話と結びつけやすい。分節音が多少間違っていても声調パターンが合っていればベトナム人に通じやすい。今後も、声調を先に教える方針でいいよねと思った。

ちょっと話が違うけど、ある学部学生の話が印象に残った。
その学生は医療系の資格をとるコースで勉強していて、国際協力に興味を持っており、専門能力を生かして例えば協力隊とか・・・と考え始めたらしい。でも、周囲には同じような関心をもつ学生はいないらしく、むしろ、せっかくこれから(日本で)社会に出て手堅く仕事につけるのに、どうしてわざわざコースを外れていくの?という雰囲気で、周りからちょっと浮いてしまっているそうだ。(本人はごくふつうの若者でとてもよい子だ。)ふ~ん・・・と思った。今の日本の一般的な大学生たちは、そういう雰囲気なのかもしれないなあ。
国際協力分野に進めば必ず役に立てそうな資格だし、周りにどう思われるかなんて気にしないで好きな道に進んでほしいなー、と、思わず後押ししたくなる。その反面、国際協力分野は日本ではいまだマイノリティだし、一度踏み込むとふつうの日本社会に戻ってくるのはなかなか大変なことだということもよーく知っている。日本で手堅い仕事につくことの価値は、十分すぎるほどある。彼がどうするのか、ほんのり温かく見守ってみたい。

でも、これまでの経験によれば、海外行きたいとか口走っている人は、すぐではなくてもいつか、ほぼ必ず行っちゃうんだよな。それなら(まわりに迷惑かけにくい)若い時に行ったほうがいいと思う、というのが私の意見。